コラム
ダンボール原紙価格について(2) 及び ダンボール生産量について
昨年4月に同コラムに書いた「ダンボール原紙価格について」の続編です。
前回のコラムを書いたしばらく後に予想通り、大手製紙メーカー各社は10月1日から10円以上/kgの上げ幅でダンボール原紙価格(ライナー、中芯とも)及びダンボール製品の値上げ(10%以上)を発表いたしました。
その理由として、
・製紙業界はエネルギー多消費産業であり、原燃料、諸資材価格の上昇、高止まり
・賃上げの実施や人手不足の深刻化を背景とした労務費の上昇
・物流コストのアップ、協力会社からの価格改定要請への対応
・設備の維持修繕費用(特に世界的に求められている環境対策費用)の高騰
など、事業領域全般にわたるコスト構造の変化
をあげております。
しかし、その後の原燃料価格の推移や原材料である古紙価格や原紙在庫のだぶつき感、需要減少などの背景、また各社の足並みの乱れもあり10月1日からの市況変化は後ろにずれこんでおりました。
そのような状況ではありましたが各社が交渉を進めていく中で、2026年2月5日の日本経済新聞の日経市況において、ダンボール原紙価格(ライナー・中芯とも)の価格が10円/kg UPいたしました。
*ここ10年の外装原紙価格の日経市況推移グラフです

現在の製紙メーカーは、デジタル化の進展による紙需要の減少や、燃料・原材料価格の高騰により多くの課題を抱えています。特に洋紙製品・新聞・出版紙の需要はここ近年大幅に減少しており、この傾向は今後も続くと予測されています。大きな需要変化に伴う一方で業界再編も進んでおらず業界自体が厳しさに直面しております。
唯一、包装資材であるダンボール原紙は需要が大きく落ちることがないとの見込みから各社とも製紙マシン(抄紙機)を他品種から段原紙へ切り替える動きも見られましたが、ここにきて、段ボール生産も減少の一途を辿り始めています。
2026年度もマイナス成長見込みで、4年連続の生産量減少見込みとなっております。

主な需要部門別動向としては、「加工食品用」(構成比42%)は、製品値上げやフードロス対応のマイナス要因がある一方で、高齢化や単身世帯、家庭内個食の増加に伴い、冷凍食品やチルド食品、インスタント食品が下支えとなり0.5%程度の伸びと予測。
「青果物用」(構成比9%)は、高齢化・後継者不足による作付面積の減少に加え、豪雨や猛暑など気候変動の影響も続くものと見込まれ、1.5%程度のマイナスを予測。
「電気器具・機械器具用」(構成比7%)については、経済安全保障の観点から一部国内回帰の傾向もあるが、中国経済の減速やトランプ関税の影響で輸出向けは減少すると見込まれ、0.5%程度マイナスを予測。
「薬品・洗剤・化粧品用」(構成比6%)は、パーソナルケア関連の日用品が堅調に推移すると見込まれる一方で、中国の渡航制限でインバウンド需要に不安要素があり、前年並みの需要に留まると予測。
「通販・宅配・引越用」(構成比6%)は、Eコマースの拡大傾向が続くものの、包装材の最適化、角底袋への置換に伴い、前年微増の0.5%程度の伸びと予測。
(以上、需要予測は 全国段ボール工業組合連合会 資料より引用)
このようにどの分野においても非常に厳しい需要予測となっております。やはり人口減少・高齢化社会に突入した我が国の社会構造そのものが背景にあると思われます。あわせて異常気象が日常化する中で当社の基盤である、地域で収穫される青果物用ダンボール製品も大きな影響を受けております。環境経営を当社が推進する理由(=自分ごとである)もここにあります。
原紙価格も値上げを繰り返し、かつ今後生産量が減少していくうえに様々なコスト・固定費が上昇し続けるなかで、かつての業界のビジネスモデル(薄利多売)が成り立つことができないことはだれの目にも明らかであります。
時代に必要とされお客様に喜ばれる魅力ある商品提案・開発をはじめとして、他社とは異なるビジネスモデルを確立していかなければ企業の先がないなか、当社は地域でのオンリーワン企業を目指し引き続き積極的な取り組み及びご提案をお客様に実施していくつもりであります。
包装についてお困りごとやご相談、現状からの包装改善希望などがありましたら、ダンボールをコア商品とし地域に貢献し続ける総合包装メーカー「コムパックシステム」へぜひご相談下さい。