コラム
<ご協力お願いします>インク集約への取り組みと環境負荷削減について
今回は、ダンボール業界(全国段ボール工業組合連合会:以下全段連と表記)での取り組み案内とみなさまへのお願いの記事となります。
当社は理念に「持続可能な社会づくりに貢献する」と謳い、その達成に向けて環境面・経済面・社会面の3側面から様々な取り組みを行ってきております。(詳しくは当社環境レポートをご覧ください)
それに向けた課題のひとつとして、業界全体において問題となっている旧態依然からのインクの取り扱いが大きな障壁となっております。つまり、「ダンボール印刷におけるインク色数の多さ」です。
当社は、この問題が業界で取り上げられるかなり以前よりお客様に色削減(色集約へ取り組み)のお願いをしており、大幅な色数削減=環境負荷削減に取り組んできております。しかしまだ一部において補正色・特練色が存在し環境負荷を下げられない現実があります。
例えば「赤」印刷といっても、薄い赤~濃い赤まで多様に存在し、お客様に応じて様々な赤を指定され、それに合わせて色を揃える・・・というのがかつての対応の仕方(サービスの一環と称して応じていた)でした。しかしこのやり方だと色数が際限なく増えていき色替え時の環境負荷増大、生産性の低下、管理コストの増加、そして最終は使い切れずにインクを廃棄する際の環境面への悪影響など非常に大きな問題となっておりました。
そんな中、この問題に対して業界でようやく大きな動きがあらわれてきました。それが以下のお願い文になります。
(全段連ホームページより)
段ボール印刷用インキ色の集約へのご協力のお願い
全国段ボール工業組合連合会
全日本紙器段ボール箱工業組合連合会
印刷インキ工業会
平素は、段ボール産業に対し、格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
さて、現在段ボール製造時に使用しているインキは、全国段ボール工業組合連合会、全日本紙器段ボール箱工業組合連合会、および印刷インキ工業会の3組織(以下、3組織)にて定めた標準色 (18色)、補整色(32色)で運用され、一部の商品に限り特練色が使用されています。 補整色と特練色が使用される背景には、段ボール箱の印刷デザインの複雑化、商品の差別化、及び ブランドカラーや商品デザインの高再現性等があげられます。
段ボール箱の製造工程をみますと、版替の毎にインキ洗浄が行われ、さらに、不要となった標準色以外のインキが廃棄処分されるなど、環境負荷増(資源枯渇やCO2 排出量削減の妨げ)の原因が常態化しており、持続可能な社会を実現する為には早急な見直しが必要と考え、3組織が業界枠を超えた改善活動に取り組み始めました。
段ボールはリサイクル可能な環境にやさしい資材ですが、サプライチェーンでの環境負荷軽減 (Scope3)には、段ボール製品を発注・消費するお取引先様との連携が不可欠です。
上記状況を踏まえ、このたび段ボール産業として下記内容でインキ色の集約を進めてまいります。
お取引先様におかれましては、環境負荷軽減の取組みに何卒事情ご賢察の上、格別なるご高配を賜 りますよう切にお願い申し上げます。
1,段ボール印刷用インキ色の集約 記 現在:標準色(18色),補整色(32色)、特練色
➔集約後:標準色(18色)…《補足資料》参照
今後はダンボール印刷用インクを標準色である18色に集約していこうという業界での取り組みになります。
しかし当社においてはいまだ特練色や補正色が複数存在しており、ここから先はお客様のご理解とご協力をいただきサプライチェーン全体での環境負荷削減に向けて取り組まなければ改善することは難しい状況であります。
企業姿勢として、サービスのひとつとして位置づけ極力ユーザーニーズに応じていくという姿勢はもちろん重要ではありますが、サービスにもコストが発生するならば、誰かがそのコストを負担しており、周りに何らかの負の影響を与えているのであれば改善し見直しをしなくては持続できなくなってきています。
ぜひ、持続可能な社会づくりにむけた未来につながる取り組みとしてお客様のご理解を賜りたいと思います。
なお、新規品については標準色18色の中からご指定をいただくようにお願いいたします。特練・補正色も引き続き対応させていただきますが、別途費用が発生してまいりますので、その際は当社までお問い合わせください。
かつては多くの色数を保有しそれがサービスのひとつだという認識もあったかもしれませんが、時代の変化・要請にあわせて持続可能な社会づくりに向けた新たなより良い取り組みを進めてまいりたいと考えております。
ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。